裏側のアラカルト

おはようございます。みなさま秋を満喫しておられることと思います。今は一年間で最も過ごしやすい季節のひとつですね。

お元気ですか。

銀座日動画廊の長谷川社長の著書の中で知った言葉があります。「ヴェル二サージュ(vernissage)」フランス語だそうですが「ヴェル二」はニスのことで、ニスを塗ることによって作品の完成を意味するのだそうです。画家にとってニスを塗ってしまえばもう後戻りはできません。限りなく手を加えたい気持ちを抑えてここで終了する。決断と思い切りがないと作品は完成しないことになります。画家にとって「ヴェル二サージュ」は、完成の決断という重みのある言葉でもあるようです。

ここからは、額縁のことになりますが、額装工程の完成パフォーマンスは「裏」の造作です。

基本的な「裏側」の処理は概ね次の3種です。   

  1. 完全に閉じこんで密封してしまいます。
  2. 作品の出し入れを簡単にする為に「トンボ」で、閉じます。
  3. 日本画や書道に多用されている「サシコ」を組み込みます。(写真)

刺子
サシコ


この時、大切とされていること。カビと酸化の防止に配慮しなければなりません。額縁の劣化を抑制するためにも、水分を多く含んだノリなどは、できるだけ使わないようにします。中性で良質の粘着テープが各種ありまして、今はこれが主流とされています。作品の裏にサインなどがあれば、見えるように細工もします。

これ等の裏側の処理は、額装の匠として、各自が強い「こだわり」を持っています。

油絵作品の場合には、裏が丸出しの方法もあります。安価でおしゃれと評する方もおられますが、やはり無防備は危険ですね。

実りの秋は「さんま」「栗」「柿」「銀杏」「松茸」・・・。 

さて、今年の秋の裏側は、どれからアラカルト!  

  額装の㈱アート・コアマエダ(店主)