お代は、いらないよ


アウラとは要するに「オーラ」の事だそうである。
唯一の存在がまとっている特有の雰囲気を意味するドイツ語だという。

こんにちは。
いよいよオリンピックが、始まろうとしています。
行きたくても行けない。
残念だが、コロナの影響は、まだまだ続きます。  
直接、会場へ行けばアウラを発しまくっている選手に出会うことができます。
彼らは、独特の雰囲気をまとっています。    
競技とは別に、これだけでも楽しめるというもの。

アートの展覧会場に行けば、
ここでもアウラを発しまくっている作品に出くわすことがあります。
会場で、そこだけにスポットが当たっているような錯覚。
気も心も否応なく引き寄せられます。

 
私たちは、日々、額装の仕事をしています。   
アウラ満々の作品を額装するには、さほどの苦労は要りません。
作品だけでも十分な存在感があるからです。
額縁は、添え物でも良いくらい。
職人の悩む時間も少なくて済むというもの。   

問題は、いわゆる「ゆるいアウラ」の作品です。
これには、工夫が要ります。
風格や雰囲気を尊重しながらも、
作品の消えそうなアウラの火は、決して消さぬように、
最大の配慮をします。
ここは額装屋にしかわからない微妙な部分です。    

職人は、それぞれノウハウを持っています。
感性も磨いています。

そんなことで、「ゆるめの作品」の方が職人の眼が輝くのです。
「額装していただいて、こんなに良くなった」
等のお褒めをいただこうものなら、もう簡単に昇天してしまう。
「もう、お代はいらないよ」の世界に。
  本音を語る額装屋㈱アート・コアマエダ(店主)