アクリルの反射 その(3)

額装も日々進化しています。
今回は、アクリルについて3回目の報告です。
温度によって伸縮するアクリルの運動量は意外に大きく
その対策に、いつも苦労しています。
以前にもお伝えしたとおりですね。

そしてもう一つ私たちを悩ませるのが
「アクリルの反射・映り込み」です。
照明や周りのものがアクリルに映り鑑賞の邪魔になったり
近づいて細部を観ようとすると、自分の顔が映って困ってしまいます。
アクリルを綺麗に磨いてもホコリを除去してもなかなか解決できません。

実は反射をゼロにすることはできませんが
極限にまで小さくしたアクリルは、あります。
「低反射アクリル」として、販売されています。
アクリルの両面に反射防止のフィルムを
張り合わせてあるものが主流です。
このフィルムは液晶テレビやプラズマテレビのために開発され
それが美術館やショーウィンドウ、さらには額縁のために応用された技術なのです。

しかし、まだ一般的に普及するには至っていません。
むしろ、額装店では、敬遠する傾向があります。
理由は非常に高価であること。
加えて取り扱いもかなり難しいのです。
弊社で扱っているものは、普通のアクリルの約10倍の価格です。
特定のお客さまからは、定期的にご指定を頂いています。
いつの日か低反射アクリルがスタンダードとして使うことができるよう
現在、価格を下げる方策を検討しているところです。

まもなく桜満開。
寒かった春から温かい季節へ
皆様のご健勝をお祈りいたします。

額装の進化は、これからもまだまだ続きます。
   埼玉の額縁屋 ㈱アート・コアマエダ