イチローと針葉樹

当初、イチロー選手が面食らったバット。
アメリカのバットの材料の多くは、ホワイトアッシュだとか。
これは、軽くてやわらかいのが特徴です。
日本のバットとは、材質が、違います。
実は、このホワイトアッシュは、額縁の材料としても多く使われています。

額縁に使われる木は、建築や内装材や家具に使われるものと、同種のものが多いようです。
木は、大きく分けて(針葉樹)と(広葉樹)に分かれます。

針葉樹は、13500万年前恐竜の時代に栄えました。
広葉樹は、5000万年くらい遅れて発生したのです。

やや進化した植物といえます。

針葉樹はより原始的であるため、仮導管(根から水を吸い上げたり、葉や、幹の重みを支えている部分)と、「柔組織」からなるシンプルな構造になっています。広葉樹は、繊維、導管、柔組織がはるかに複雑に分かれています。そして、針葉樹は、わずかの540種ですが、広葉樹は、ざっと20万種といわれています。

杉、ヒノキなど針葉樹は、まっすぐ高く伸びるので、使いやすいのですが、広葉樹は個性的な性質をそれぞれ持っていますので、扱いがなかなか難しいのです。それぞれに合わせたお付き合いをしなければなりません。要領は人間社会での付き合いに似ているかもしれませんね。

ちなみにイチロー選手が面食らったホワイトアッシュ。これはモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹です。野球のバット、家具、額縁の他にも、ギターやボートのオールを作るのに利用されています。

今回はラーソン・ジュール・ニッポン社の記事と、その他の文献を参考にさせていただきました。

  再度勉強中の額縁屋 ㈱アート・コアマエダ