今週のオリジナル額装①

こんにちは。

いつもブログに訪問してくださりありがとうございます。今日は、額装の工程を文章で紹介をさせていただきたいと思います。今週、受注させていただいた中のひとつ、シャガールの大きい版画作品です。

緊張とワクワクのスタートです。

最初に作品の確認を致します。古い版画のようで、全体に変色がみられます。そのことも考慮してフレームの光沢は抑えた方がよい・・・等と、具体的に「完成のイメージ」を構想します。

作品の上部が円形になっています。そのカーブにあわせてマットに切り込みを入れることに。フレームは広めの形状を選択しました。

大雑把ですが準備が整いましたので進行します。

作業はまずフレームの組み立てから始めます。これは木工部の人達が実に綺麗に仕上げてくれました。

次に強度の再確認とコーナーの隙間をしっかりと埋める作業です。

そして模様をデッサンします。これをフレームに正確に書き込んでいきます。その上に搾り出しで、デコレーションをのせます。オーナメントも当初の計画どうりコーナー等にのせていきます。

コーナー・オーナメント
そして「下地」の準備に掛かります。ニカワを湯煎して胡粉と混合させます。その辺の塩梅は経験による職人の勘ですね。暖かいうちに下地塗りを完成させてしまいます。模様の修正はこの時が最後のチャンスです。冷えて来ると表面がザラザラした状態で堅くなります。ザラザラ部分はサンドペーパーで丁寧に磨きます。その上に塗装をして再び乾かし、金箔を貼れる状態にします。この段階ではスベスベの状態に仕上がっています。

下地
ここまでの準備に最短72時間を要します。ほとんどが、乾燥時間です。人工乾燥ではなく自然乾燥で行うのです。

(余談ですが「下地を一人前にできるようになるには、3年の熟練が必要。金箔を満足に貼れるようになるには、これも別途3年の修行を要する・・・」と、業界の先輩職人からうかがった事があります。こんなに時間が掛かっては今の時代にはなじみません。しかし、経験を積むほどに比例して短時間で綺麗に仕上げる事ができるようになるのは間違いないようです。)

今回は、長くなりましたので、ここから後は次回にさせていただきます。次は金箔を貼る工程です。長文を読んでいただきありがとうございました。

暖かい日と寒い日が交互にやってきました。
どなた様もお身体に気をつけてくださいね。
この変則な季節を元気に乗り切りましょう。
            
     額縁の㈱アート・コアマエダ