大きい額縁とアクリル その(2)

昼の高温、寒い朝夕。
この温度差、体の対応も大変です。
いかがお過ごしでしょうか。
今回は、またあの悩ましいアクリルのことです。

大きい額装の場合
たとえば、2メートルとか3メートルを超える額縁になりますと
アクリルの重量で、フレームに相当の負荷がかかります。
アクリルには過剰な伸縮性がありますから、作品が歪んで見えたりするのです。
フレームのコーナーからは、悲鳴も聞こえてきます。
やはり従順ではありません。

どのようにアクリルをなだめるか。
私たち職人は、そのことに悩みます。
もちろん色々な方法はあるのでしょうが
弊社では、このようにしています。

アクリルの上部に必要数の穴を開けて額縁の内側でカーテンのように吊ります。
この場合、やや大きい目の穴が必要です。
これによってアクリルは、フリーの状態になります。
つまり伸縮自在、アクリル自体が、ストレスから解放されることになるのです。
長期間の展示で、絶大な効果が確認されました。

理屈はわかっていましたが、実用化に至るまでは試行錯誤いたしました。
私達は常に新しい方法を探しています。
素材の習性と、どうやって折り合いをつけるか?
押さえ込むのではなく、なるべく自由にさせてやるにはどうしたら良いのか?

解決できた時は、最高に嬉しいのです。

  アクリルの習性と折り合いをつける工夫 額縁屋の㈱アート・コアマエダ