小差も積もれば大差


テレビ画面いっぱいのモノトーンの写真。
左手の親指と人差し指に少し間隔があります。
拡大されるとますますわかりません。
なんだ、これは・・・?

細身で小柄な白髪の老人。
穏やかな風貌。
椅子に腰掛け真剣に何かを伝えようとしています。
この時点ではまだ何の番組か理解できていません。

その写真の人物は故エディ・タウンゼント氏でした。
ボクシングの世界では彼を知らぬ人はいないでしょう。
世界チャンピオン請負人
生前は多くの名選手を育てて、その中に世界チャンピオンが6人もいるとのこと。
これだけでも驚異的な業績であり、今も多くの人から尊敬されている所以です。

ボクシングの勝者と敗者。
試合が終われば勝者には必ず多くの人が集まって来る。
写真のフラッシュと笑顔のインタビュー。

それに比べて敗者は惨めなものです。
まず心と身体がぼろぼろ。
頭と顔はガタガタ。
再起不能になる場合もあります。
負ければ地獄ってわけですね。
その落差があまりにも大きいからこそ絶対に勝ちたい。

では、どんな気持ちで練習すればよいのでしょう。

彼は言います。
相手より少し差をつけて頑張るのだ
相手頑張っていれば、君はそれ以上頑張る。
ただそれだけ。ほんの少し差をつければよい。
この写真からそんなことが伝わってきました。

私共の生活は実に平凡で戦いの中で生活している実感はありません。
しかし自分の怠惰な性格に悔しい思いをすることはよくあります。

(よしゃ! 明日は、今日よりもほんの少し差をつけてがんばるか~。)

  少しの差も、積もればでっかいぞ~い ㈱アート・コアマエダ