旅立ちの風船

おはようございます。
暦のうえではもう秋ですが、
依然として厳しい夏の光が降り注いでいます。

お元気ですか。

この時期、太陽と地面からの反射とで両面焼きになります。
若い人達は、新陳代謝も盛んで平気なのでしょうが、
小生のように若くない者には、極めて過酷な残暑です。

過酷といえばですね。
夜、ヌラヌラと地上に出てきたミミズが、
朝方、地中に戻れなくなってしまっているのを見かけます。
ご覧になった方おられると思います。
アスファルトやコンクリートの上で
クニャクニャと反り返ったりしてもがいています。
しばらく激しい動きをしていますが、
そのうちに夏の太陽には勝てず、ぐったり。
やがて水分も徐々に蒸発して「ひん死状態」になります。
熱中症の末期ですね。
太陽が真上に来た頃には成仏し、
午後には、もう内臓はが完全乾燥しています。
遺体は、空洞化。

徐々に中の空気は、熱膨張して5倍位の風船状態に・・。
もうミミズではない異質の物体になっています。
弱い風にも自らの意志を持たず、そのままどこかへ飛ばされてゆきます。

彼らも生き残るからには、地上に出てきた元の場所をキチッと覚えておく必要があります。
さもなくば、地表に出て来ないことですね。

しかしながらミミズにも事情があり、天敵がいるそうです。
彼らが最も恐れる「コウガイヒル」や「モグラ」です。
これらに追いかけられたりしてやむなく地表にあわてて飛び出す、と。
われわれが見かける場面は、その結果なのでしょう

彼らにとって、もうひとつの気の毒なことは、
人間にほとんど興味を持たれてない事ですね。
あの膨れ上がった風船が、飛ばされていく姿を見ていると、
自然界の厳しさと「あわれ」を感じてしまいます。

さて、
残暑には、ビールです。
秋までには、しばらく時間があります。
「生きていてよかったぁ!」を実感しましょう。
機会があればまたご一緒に「乾杯を」・・・。

 みみず風船追悼懇親会 額装の㈱アート・コアマエダ(店主)