軽く天才のこと

こんにちは。熱い夏の高校野球が終わりました。スカウトの眼にとまった優れた選手が、何人か名前が出ています。

小生の素人眼にもプロ野球で活躍できそうな選手がいましたね。これが本当に高校生かと…。不運にも仲間の怪我やアクシデントで消えていったチームもありましたが、気になる選手はその中にもいます。

最後まで勝ち残るには「運」も大事な要素。努力の人を応援したいという気持ちもあるのですが、才気あふれる若者には独特のオーラを感じてしまいます。150キロ超の難しい豪速球を渾身の一発で打ち返す、緊張場面での逆転劇もありました。こんな選手には、どうしても強い印象が残ります。天才かなと。

そういえば日本の美術の世界にも天才はいました。その代表の一人「葛飾北斎」。ゴッホなど印象派の人たちは、その作品を見て度肝を抜かれました。「ショック」でビリビリ感電死です。今年は、北斎の没後170年。新紙幣のデザインへの採用も決まりました。欧米の美術の世界では、ジャポニズムの代表作家として高く評価されています。

葛飾北斎 富嶽三十六景 駿州江尻



しかし生前の日本での彼は、社会的地位も低く町絵師の域をウロウロしていました。生活も楽ではなく、主流に背を向けていた人物。宮廷画の「本画」に対抗して、自らの作品を「漫画」と自虐していました。

思うのですが、天才は時に歴史をがらりと変える可能性を持っています。ここは間違いのないところですが、あまりにも水準が高すぎたり時代に先行し過ぎると、正当な評価を受けられない場合があります。認められるのは、いつも亡くなってから。

そもそも芸術の表現世界は、矛盾に満ちていて難しいようです。  

天才と言われた人の運命を考察。我々スタッフ一同も感電死させるほどの仕事をやってみたいと思っているのですが。

  額装のアート・コアマエダ(店主)