額縁が見える

こんにちは。

いよいよ寒さも峠を越えました。まもなく桜が咲きますね。

お元気ですか。

毎日が修行のようで、いろいろな額装に取り組ませていただいています。

まず、お客様との会話を通じて、ご希望をしっかりと捕捉。そこへ、経験や知識のすべてを落とし込みます。もちろん頭の中には、引き出しをたくさん持っていなければなりません。

小生が若いころ、ほぼ毎日先輩に言われていました。

「絵を見ただけで額縁がついているように見えなければいけないよ」
「・・・」
「作品を見ているだけでイメージの中で額縁の衣装替えができなければいけないよ」
「・・・」

何も返せなかったのは、その頃は作品を見ても額縁をイメージすることができなかったからです。「自分には、まだ・・・それは無理」と心で叫んでいました。

多くの額縁サンプルから数種類にまで絞り込んでお客様に提示しなければいけません。その間もフル回転で額縁の衣装替えをイメージ。スピードも要求されます。

「額装屋は、真面目に仕事に向き合っているとイメージできるようになるんだよ」
「造る技術だけではだめで、感性に磨きをかけること」
「常にイメージのトレーニングを繰り返さなばならない」
「とにかく額装例をいっぱい見ておくことでんな・・」

小生が修行中だった頃の大阪弁の師匠の思い出の言葉です。

最近は現代アートが主流となり、額縁がついているようなついていないようなシンプルなものが多いですね。手前どもの若いころの修行の内容だけでは、多くのお客様が望まれているものを提示することができません。新しい感性の時代です。

額装の存在意義って何だろう?

  1. 作品を物理的に保護する。
  2. 作品の良いところを思い切り引き出す役目。
  3. 飾られる空間と作品を取り持つ仲人。

そんな使命のようなものをいつも考えています。

時代の変化と格闘をする・・今時の額装屋  額縁の㈱アート・コアマエダ(店主)