額縁と急所


昨今の台風の被害は大きいですね。大きな杉の倒れた姿を見ました。そして電気インフラの危うさも知りました。国土の改造は、まだまだやらなければいけないことがありそうです。千葉県の被害にあわれた皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。

こんにちは。

さて、「何事にも急所があるよ」という話です。急所を押えておくことは、とても大事なこと。額縁にも急所はあります。その一つがコーナーの接合。ここが、弱くては話にならないのです。
  
今では、エル型の金属タッカーが打ち込まれています。とても強力です。それでも時間経過でゆるむ場合が稀にあります。ポイントは接着剤との合わせ技です。

余談ですが、接着剤の歴史は古いのです。すでに石器時代には、矢じりと木の棒との接着に使われていたと聞いています。材料は、原油に含まれる「アスファルト」とのこと。

額縁の接着には、古膠(にかわ)が多く使われてきました。これも強力です。しかし良質の膠が入手困難な今、その代替えに化学ボンドが多用されています。こちらの進歩は、もっとすごいです。あっ、という間に乾いてしまう二液性ボンド。一度くっついたら離れないというスッポン型の恐怖ボンドまであります。弊社では、接合の最終点検で、裏からも表からも再補修をします。


女性スタッフによる繊細な工程です。

台風一過、さわやかな秋晴れ。額装に励むスタッフは、皆元気にしています。 

  額装の㈱アート・コアマエダ(店主)