額縁のデザイン「4」

こんにちは。日本列島、台風のお陰で雨の多い毎日でした.

お元気ですか。

先週、異業種から複数の来客がありました。その中で朝霞市にある本田技研デザイン開発室の方の来訪時の話です。弊社のクラッキング塗装に興味を持たれて見学に来られました。その折、オートバイ塗装について、こちらも色々と勉強させていただきました。

雑談の中で、創業者の本田さんの話になりました。その昔、新製品は本田さんのところへ持っていって、最終的な許可を取るのが恒例であったそうです。ところが「こんなのは、売れないぞ!」と酷評された車は、逆に必ず売れたという、皮肉な伝説が残っているそうです。ヒット商品になるかどうかは、カリスマの創業者でも予測は難しかった・・・と。(笑)

さて、先ほどのクラッキング塗装の話です。額縁の場合は、2種類の塗料を吹きかけることで化学反応を起こし、細かく網の目のように分離させます。

クラッキング塗装

そのあと、額縁本来の「黒」の塗装をします。溝が目立つと「うるさく」なりますので、上に茶系混合の「いぶしの粉」を粘着させ古い感じを出します。

クラッキング塗装・いぶし

一定の時間を経て、磨くようにふき取ります。溝に残った粉が模様の陰影を醸すことになります。目の前で作業をし、その出来上がりを参考品としてお持ち帰りいただきました。

本日は、デザインというより塗装の話でした。

雨が終われば、澄み切った夜空に白い月。
「無念夢想」
こころを整える季節にしたいものです。

    埼玉の額装屋㈱アート・コアマエダ(店主)