16角形は、職人の心意気

お客様からのご依頼には全力で取り組みます。
そう決めたのですが、最近は難題が多くその対応に追われています。
なかには職人技だけでは対応できない場合もあります。

今回のご依頼は16角形の額縁なのですが、5段枠組み額装。
しかも1枠ずつ独立しています。
ダブルマットを加えると7段になります。
既に何社かの額縁屋さんには「断られた」とのこと。
それを聞くと、また,いつもの挑戦意欲の血が騒ぐのです。
「お受けします!!」と手を上げてしまいました。

この単純な反射神経は、何なんでしょうね?(笑)

機械屋さんに問い合わせたところ「8角形用のゲージはあるが16角形は無い」とのこと。都内の親しい同業社にも応援を依頼しましたが良い回答は得られませんでした。それならば独自で覚悟を決めてゲージを創るしかない。角度の計算は簡単でしたが小型サイズのため切断作業が大変でした。

しかも独立した枠の組み合わせのため相当の精度が必要です。
少しの誤差でも、5枠が、うまくはまらなくなるのです。
担当の職人さんには夜遅くまで大変な苦労を掛けてしまった。

 
設計図と基本計画は、ハイ。
木部の技術指導は、荒井。
塗装は、小幡。
布貼りと仕上げは、土元、三沢、矢崎。
仕上げと検査は、石部。
最終責任者は、滝川。
が、それぞれの担当をさせていただきました。


やっと完成しました。
お客様には喜んでいただけました。
色々ありましたが、うれしいですね。

お客様からいただいた難問。
「ありがたいことだ」と素直に受け止め、職人は不安ながらも必死で考えます・・・。
今までの経験を生かし、ありとあらゆる角度から解決策を見つけるのです。
苦しい時もありますが、その都度成長することができるように思います。
てまえども職人の心意気はまさに16角形そのもの。

   今年も常に挑戦者 額縁屋㈱アート・コアマエダ