脇役のこころ


こんにちは。雨の連続で、涼しいお盆休みでした。しかし、ここにきてまた灼熱の太陽が戻ってきました。

お元気ですか。

さて、恒例の夏の全国高校野球大会が終わりました。優勝は、地元埼玉の「花咲徳栄高校」でした。おめでとう。真剣に戦っている姿は、どのチームも清々しく、多くの感動がありました。悔し涙や、喜びの涙。冷めた目で見ているつもりでしたが、釣られてつい涙腺が緩みそうになります。

何年か前のこと。炎天下に孫のような選手を率いた79歳の監督の「ことば」です。

試合の一つ一つのエラーなんか将来に全然関係ない。長生きしてみたらわかる。だからミスを恐れず、楽しみながらやれ。

– 実践学園、朝井剛監督


この言葉は、今も記憶に残っています。

試合の後、勝利した側の校歌が流れますね。あれを聴くのも好きです。商業音楽とは一線を画す、崇高な雰囲気があります。曲と歌詞の力でしょうか。自然と背筋が伸びてくるから不思議です。

もう一つ思う事がありました。

応援席のユニホーム姿の一団。真っ赤に日焼けし、汗にまみれた顔。部員が多ければ試合に参加できない人達が必ず出る・・・。厳しい練習をしてきたのにメンバーに選ばれなかった若者達。本音のところは「不本意」なのだと思います。

応援席ですからね。

彼らの軽くない心の葛藤や家族のドラマ。そんなことも想像しながら見ていました。

「脇役でも君たちも頑張った!本当にお疲れ様!」

   額装の㈱アート・コアマエダ(店主)

この道は、


こんにちは。

細身の長身、ちょっと猫背。白髪の混じった坊主頭で現れた。恰好の良い初老の組長風?・・紳士。

「おーうっ」「やーあっ」

漫才コンビのような、昔から変わらない挨拶で始まります。この日は、朝からギラギラの猛暑でした。彼とは、長い付き合いです。川越街道沿いの大型コーヒーショップにて合流。そのまま雑談。

まずは健康のことから、家族の近況まで。彼は小生の「話下手」を熟知していて、その「下手」に合わせて、うまく合いの手を打ってくれます。心地よい。調子に乗ってしまうから、話はどこまでも止まらないのです。

彼の名は「板倉政友」君。弊社を3年前に定年退職。約30年間に渡って生産部門を束ねてくれていました。

在職中は色々とありました。彼の厳しい品質管理。最終チェックのことでは、時には社内でもトラブルに・・・。ただの頑固ではないのです。常にお客様の目線を正確に捉えていて、その一点だけは絶対に譲りませんでした。お客様からのクレームは激減しましたが、社内には「何もそこまでやらなくても・・・」と疲れた顔を見せる若者たちもいました。

その軋轢の中でも徹底して信念を貫いてくれました。

「戦友」とは、命を懸けてともに戦った仲間のことでしょう。まさにこの言葉が当てはまる、仲間の一人でした。ここ数年、彼のような幾人かの戦友が、順次、定年退職していきます。少し寂しい気がします。

今の様に機械化されていない時代でしたから、ほとんどの作業はハンドメイド。原始的な作業のために、爪の形が変わり、指はごつごつと曲がっていました。繁忙期には、寝る時間を削って納期に間に合わせてくれました。

当時、小生は営業にも出ていましたが、お客様の厳しい値引き交渉の中でも安易に妥協せず頑張ってこれたのは、彼ら戦友の真面目に働く姿が、脳裏からいつも離れなかったからだと思います。

会えば昔話に花が咲き、苦労も時間が経てば、楽しい笑い話に変わります。「なんだ、そういう事だったのか」と、今になって腑に落ちたことも幾つかありました。

中国の文豪 魯迅の「故郷」の中の一節。

希望とは、地上の道のようなものである。もともと道の無い地上でも歩く人が、多ければ道ができる。


確かに、希望に向かって皆で歩いて来たから、この道はできたのだと思います。

今日も明日も、この道を皆で歩いて往きます。
 
     八月盛夏  額装の㈱アート・コアマエダ(店主)  

黄色いカレーライス


こんにちは。暑い日が続いていますね。お元気ですか。

この季節は、暑さと湿度で食欲不振に陥ることがあります。そんな時は香辛料が活躍します。消化器官の動きを活発にしてくれるのです。特に、香辛料のたっぷり入ったカレーの匂いは、条件反射的に食欲を復活させます。カレーにはそんな絶大なパワーが秘められているように思います。

今では、おいしいカレーを食べさせてくれるお店が、たくさんあります。インド料理やスリランカ料理の専門店も増えました。隠し味にチョコレートやインスタントのコーヒーを加えるとコクがでる・・・と、聞いたこともあります。
     
子供の頃、母親がつくってくれたカレーは素朴なものでした。肉や野菜をグツグツと煮込んだところに、だいだい色のカレー粉と小麦粉を水で溶いた、黄色になった液体を加えて作ってくれました。牛肉の代わりにクジラ肉の時もありました。

そういう時代でしたから・・・。

育ち盛りの子供としては、そんな具のことはどうでもよく、カレーライスはとにかく最高の食事でした。母親からこの献立予告あると、夕飯のことなのに朝からお腹がグルグル。頭の中は、まっ黄色。

もしも、・・・もし、ですよ。老いて死の直前に「最後に何か食べたいものがあるか?」と問われたら、何と返答しますか?私の場合、今の話の流れからすると「黄色いカレーライス」となるのでしょうか。

でも、心配なことが一つあります。「万が一、そこで生きる力を取り戻してしまうと、周りの期待を裏切ることになりはしないか」

元気なうちに美味しいカレーを食べることにします。

明日も暑い一日になりそうです、お元気で。   

  額装の㈱アート・コアマエダ(店主)