名僧のごとく。

先日、凄い詩を見つけました。

さくらふぶきの下を ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです

死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と

「さくら」 茨木のりこ より抜粋


何度か繰り返して読んでいるうちに解ったのです、私にも。

死(純粋なエネルギー)の状態にあるほうが人間としては、常態だと。
それが量子化(物質化)して、肉体を持った存在として生きている。
これは、まさに奇跡。
生は、悠久の宇宙の歴史の中でまさに蜃気楼のようにはかない瞬間なのかもしれません。
だからこそ「いとしき」なんでしょう。

毎日が、せかせかと過ぎていきます。
自分のような怠惰な性分を修正するのは大変ですが
この「いとしき」時を無駄にしては、もったいない。
限られた時間の中、それを意識して生きていかねばなりません。

今も世界のどこかで戦争が行われています。
昨日も自爆テロがありました。 
とんでもない。
もったいないではありませんか。
いとしき蜃気楼ですもの。

 今週も元気で額装の仕事ができることに感謝 
 額縁の㈱アート・コアマエダ

大きい額縁とアクリル その(2)

昼の高温、寒い朝夕。
この温度差、体の対応も大変です。
いかがお過ごしでしょうか。
今回は、またあの悩ましいアクリルのことです。

大きい額装の場合
たとえば、2メートルとか3メートルを超える額縁になりますと
アクリルの重量で、フレームに相当の負荷がかかります。
アクリルには過剰な伸縮性がありますから、作品が歪んで見えたりするのです。
フレームのコーナーからは、悲鳴も聞こえてきます。
やはり従順ではありません。

どのようにアクリルをなだめるか。
私たち職人は、そのことに悩みます。
もちろん色々な方法はあるのでしょうが
弊社では、このようにしています。

アクリルの上部に必要数の穴を開けて額縁の内側でカーテンのように吊ります。
この場合、やや大きい目の穴が必要です。
これによってアクリルは、フリーの状態になります。
つまり伸縮自在、アクリル自体が、ストレスから解放されることになるのです。
長期間の展示で、絶大な効果が確認されました。

理屈はわかっていましたが、実用化に至るまでは試行錯誤いたしました。
私達は常に新しい方法を探しています。
素材の習性と、どうやって折り合いをつけるか?
押さえ込むのではなく、なるべく自由にさせてやるにはどうしたら良いのか?

解決できた時は、最高に嬉しいのです。

  アクリルの習性と折り合いをつける工夫 額縁屋の㈱アート・コアマエダ

従順ならざるアクリル その(1)

展覧会場で、思うこと。

会場で、ライトの照射を受け、アクリルが額縁から外れている光景を見る事があります。
他社の商品であっても悲しい気持ちになります。アクリルの膨張と収縮。厄介な問題です。
又、額装する立場から申しますとフレームは、細い方が、技術的に難しいですね。 
どこのメーカーも細い額縁の対応には、慎重です。

そんな中、常識を超えた限界ギリギリの額縁が販売されていました。
身幅(正面幅)が、なんと3.1ミリの金属フレーム。
商品名をトップ3.1といいます。
写真の額装に多く用いられています。
金属縁の技術では、トップメーカーの㈱安田精工の製品です。

「かかり」がほとんど無い為、アクリルのサイズは100分の1ミリの精度が要求されます。
アクリルは、常温にキープされた倉庫に保管されています。
この精密裁断は、このメーカーでしかできません。
展示会場では、5℃から40℃の温度変化にも耐えることができるとのこと。
間違いなく優れものです。

しかし価格は、やや高めです。

参考上代
大衣:509×393 6,590円
太子:379×288 4,840円


大きさは、三三サイズ(606×455)以下の限定となります。
色は、チタン色と黒色の二色だそうです。
美しい平型シャープなフレームです。

お薦めいたします。

  他社の製品ですが問題児のアクリルを解決!  額縁屋の㈱アート・コアマエダ