ここは、ヤマ

こんにちは。今年もあとわずかとなりました。いろいろと気忙しいこの頃ですが、お元気ですか。

弊社は埼玉県の三芳町、民俗資料館の前にあります。関越自動車道の所沢インターから車で15分程のところです。近隣にはまだ雑木林と畑が多く残っています。

この地域の皆さんは、平地林や雑木林のことを「ヤマ」と呼んでいます。実に不思議な気がします。ここに山はないのです。どうやら一般的に言われる「山」という意味ではなく、語源的には「ヤ」は「大きい」、そして「マ」は「恵み」ということだそうです。

江戸時代に、畑作新田が開拓されました。川越藩主、柳沢吉保の時に特に盛んだったそうで、三富新田と呼ばれています。地下水位が低く火山灰土で覆われ栄養分や水が少ない荒野に作物を植えるために、人工的に木を植え林を作り地下水をくみ上げました。

大変な労働であったと思われます。

さらに枯れた落ち葉を腐葉土にして畑の肥料に活用したそうです。何年もかけての作業であったとの記録があります。これが三富新田の循環型農法の始まりです。まさに先人の努力に敬意を払わねばなりません。

春は新緑と爽やかな風を感じ、夏には都会の子供たちがうらやむカブトムシやクワガタの採取ができます。そして秋には、紅葉。冬は落ち葉でできたふかふかの絨毯を歩き里山を体で感じることができる、四季折々の表情を見せる処。

三芳町 - 冬

まさに「ヤマ」です。

そして人が住むところ、田舎、ふるさと、などのことを「里」と呼びます。この地域にも多くの人が住み「里」を形成しました。ご当地「三芳町」は、このように先人たちの開拓によって生まれました。

三好町歴史民俗資料館 - 旧池上家住宅

三好町歴史民俗資料館 – 旧池上家住宅



弊社の駐車場の向こう側に、茅葺の屋根が見えます。100年以上も前の近隣の大型古民家、旧池上家住宅を移築したものです。以前にもブログで紹介させていただきましたが、三芳町民俗資料館の一部となっています。ご来社された方々に、折々にご案内させていただいています。

寒暖の落差大きく、風邪などひかれませんようにお気をつけください。

 火山灰大地に根を張り地元を愛する額装屋㈱アート・コアマエダ(店主)