さあっ!どうしてくれる

木の曲がりくねり。

年輪の気ままな動きで、フレームがまれに曲がることがあるのです。
まれにのはずでしたが、今回の大型額縁にも発生しました。

二辺が微妙に曲がってきたのです。
困った。
何ミリか、ほんの僅かですが裏側へ曲がってきました。
もう片辺は表側へです。

せっかくここまで造ったのに・・・。
もちろん、このままにしてはおけません。
しかし作品とのセット前でよかった。

協議の結果、弊社の職人は麻酔なしの緊急手術をすることに。
究極の方法です。

まずフレームだけを外します。
そしてフレームの裏側に何ヶ所か溝を入れます。
驚かないでください。
ここは思い切りが大切。
必要最小限に。

そして出っ張りを押えて強引にまっすぐに修正します。


「はいっ、そのままで・・・」
少々強引に固定します。
まっすぐに落ち着いたところで削った部分に同質の部材を埋め込みます。
そして、強力な接着剤で固めます。
時間をかけて少しずつ、ゲージを睨んで何度も確認します。

「はいっ」まっすぐに、固定されました。
もう曲がりは戻って来ません。
修正は完了。


このあと下塗りの処理と銀箔貼りを最初からやり直すことになります。
理屈は簡単ですが思い切りの要る仕事なのです。
職人の経験とセンスを頼りにします。


荒井さん、小林さん、徳さん、加藤さん、その他木工の皆さん。
お疲れ様でした。

箔塗りの皆さん、検査の日までに宜しく・・・です。

                     ㈱アート・コアマエダ