アフリカ芸術を天才から学ぶ

今、アフリカに対する中国のインフラ投資が凄いようです。
テレビなどで知った範囲ですが特別に熱心です。
資源の確保が目的とも言われているだけに、「負けてなるものか」と欧米の追い上げもすさまじい。

さすが「マネーの力」

そして、その後には、何が起きるのでしょうか?
アフリカ独自の純粋な宗教観や芸術文化の存続も心配になります。
音楽、映画、文学、教育、庶民の生活を含めて
拝金主義や物質主義に毒されないことを心から祈ります。

さて、本題ですが・・・
古いテレビ番組の話で恐縮です。
30年ほど前(かなり古いですね)
池田満寿夫先生がされた、テレビでのレクチャー。
「アフリカ芸術の紹介」
ちょうど芥川賞を受賞されて、数年が過ぎた頃だったと思います。
その番組では、アフリカの子供達の「絵」が多数紹介されていました。
最初は、犬の絵。
色使いが鮮やかです。
一瞬 「あれっ」と思った。
アングルが違う。
普通、犬の絵は、足を下にして背骨が上で横からの姿を描きますよね。
横からのイメージが、ノーマルだと思います。
ここでは、すべて真上から見た構図になっていた。
何か変なんです。
果物や、魚の絵も同じです。
アングルの違いだけで、こんなに新鮮になるんだ。
東洋とも西洋とも異なるアフリカンアート。
すぐれた現代アートと出会った時に経験する
心地よい「視覚ショック」を受けたような、あの感覚ですかね。

ピカソやマチス、モジリアーニ、といったアーチストはアフリカ彫刻にそれぞれが、強い影響を受けたとか。
その時池田先生は、画用紙にマジックを使って説明されていました。
ピカソの「3次元の物の形態を二次元の画面に総合的に表現しようとするキュビズムの原理」なんかをですね。
知識の深さに加えて温かいお人柄。
楽しい番組だったのです。
今も思い出せるから、不思議です。

当時は、私共も先生からの額装の仕事を多く担当させていただきました。
マルチに活躍されていた才能あふれる池田満寿夫氏。
ご健在の頃が、ほんとうに懐かしいです。

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