額装職人の胸の内

おはようございます。

オリジナル額装のお話です。完成品をお渡しした時のお客様の「笑顔」。これがあるから次も頑張れる。何物にも代えがたい最高のご褒美です。

最初は「これ、お任せしますよ」「既製品は嫌だよ、いつものオリジナルで・・・」「信頼していますからね」でお預かりさせていただく。

職人冥利ではあるが、プレッシャーの裏返しでもあります。信頼は、裏切れませんから。

しかもオリジナル額装の評価は既製品と違って、天と地ほどの差が出ますから・・・厳しいです。 

作業に取り掛かる時の職人の胸の内はと言えば、「ご依頼主の趣向のポイントを外していないだろうか」「造る側の思い込みや傲慢が、先行していないだろうか」「悩んで迷って、個性の無い平凡なものになってしまっていないだろうか」などの煩悶が次々と沸き上がります。

それらの思いをバシッと断ち切って着手する。その決断も匠の技のひとつと観念しています。 

先週のオリジナルフレームの中の2点。 

オリジナルフレーム
ルオーの小作品。マットに粗い暗い麻布を巻き込みました。フレームは、ご要望に沿って暗くならないように仕上げました。

オリジナルダブルフレーム  

こちらは三岸節子先生の油絵額装です。

キャンバスの側面が出ないように、ダブルフレームにして浮かせてあります。ベースは銀箔です。コーティングで、金色が混ざったような発色。

今回はご紹介できなかった他の額装も含めて、池田と高田が製作監修をさせていただきました。

   額装の㈱アート・コアマエダ(店主)

額縁に金箔

じんわりときましたね。寒くなりました。

お元気ですか。

今日は「金箔」の話です。

人類が発見した最古の金属「金」。人間と金とのかかわりは、紀元前4000年頃のオリエントからだと言われています。その輝きと希少性ゆえに、富と権力の永遠の価値の象徴として珍重されてきました。耐食性に優れ錆びたり朽ちたりしない金は、歴史的な記念物や芸術作品の様々な部分に利用されています。

その金を薄く伸ばしたものが、金箔です。額縁にも金箔が多用されてきました。

この仕事は尋常ではない根気と繊細な神経が必要とされるのです。弊社では粘り強い女性陣も、たびたび腕前を発揮して丁寧に仕上げてくれますので、得意な分野の一つになっていると自負しております。


金箔を額縁に貼りますと、まずピカピカの金の額縁ができます。そして暫く乾かして、錆び止めのコーティングを行います。次に作品の雰囲気に合わせる工程に入ります。光沢のあるままでは、作品と合わないからです。墨を霧状にして付着させたり、イブシ粉で着色したりします。

作品に合えば、そこで完成。


写真は近年多用されている平型の額縁です。まれに違う色を指定される場合もありますが、主に白色か黒色が多いです。出来上がった見幅の正面だけを金箔で装飾することがあります。

これは、銀箔を貼り光沢を落としたものです。

「それ以上のものが、できないか」の想いで、今日も頑張っています。

       額装の㈱アート・コアマエダ(店主)