道具のこころ

おはようございます。
春がもうそこまでやってきました。

お元気ですか。

手前共は額装の職人集団です。
器械や工具を大切にすることに関しては、
一貫して教育されてきました。
腕の良い職人は皆、工具等をとても大事にしています。
手入れを決して怠ることはありません。

昨今では便利な器械が導入されて、すばやく大量に造ることが容易になりました。とはいうものの製品は、道具を使う人間の熟練と「こころ」との合作で出来ばえが決まります。

手入れを怠るとカンナが言うことを聞かない。
いらいらしている時に木を削りすぎてしまったり、工具で怪我をしてしまう。
若い時にはよく経験したことです。

製品には造る人の人柄が間違いなく現れます。
こころを穏やかにして、謙虚な気持ちで
仕事に臨むことを大切にしています。
と言っても、感情を持った人間ですから、
コントロールが難しい時もありますけどね。
毎日が、こころの修行です。

着物も、道具も、器械も、金銭も、皆生きている。
大切に使えばその持ち主のために喜んで働き、
粗末に扱えば、すねて持ち主に反抗するだけでなく、
時には、腹立てて食ってかかる。
    
- 丸山敏雄著「万人幸福のしおり」


        
わかってほしい「職人の大事な話」

         額縁屋㈱アート・コアマエダ 店主