ととのいました ①


12月とは思えない暖かな陽気です。
お元気でしょうか。
また職人の独り言です。

額縁は、古くなりますとコーナーに45度のヒビが入ります。
悩みます。
しかしこれは、額縁の宿命で仕方のないこととされています。
大きい額縁になるとその傾向がより強くなります。
乾燥度の高い場所に設置されていると、さして年数を経ずとも木は動き出すのです。
まさに職人泣かせの木の特徴。

正面が平らな面になっている場合は特に困ります。
目立つのです。
手前ども職人は必死で考えます。

「ととのいました」

コーナーに深さ7ミリ程度の長方体の掘り込みを入れます。


写真でお判りになりますでしょうか。

そこへ同じ材の断片を埋め込みます。
そして相応の時間をかけて目地を埋め込みます。

これでコーナーの割れは、表面にはでてきません。
宮大工の工法にもあります。
実はあれの真似なんです。

実際に額縁でそんな効果があるのか?


写真の角を見てください
光を当てるとはっきり見えます。
3メートル × 1メートル


平型の銀箔貼り
この仕様で額装をさせていただきました。
過去の実績から、今回もほぼ完璧と思われます。
12月17日に納入させていただきます。

そのこころは、
「一日でも永く作品をひきたてる額縁の役目を果したい・・・」
ですね。

時間がたてば、その威力を発揮するものと確信しています。

木の曲がりをやさしくカバーする職人達     額縁屋の㈱アート・コアマエダ