心から尊敬できる日本人①

こんにちは。

日本列島が雪に覆われました。地域によっては分断されて孤立したところもあったようですが、お見舞いを申し上げます。

日曜日、外は残雪。
出かけるには、ちと寒い。

台所にてリラックスのままに本を読みました。

「世のために尽くした人の一生ほど、美しいものはない」
と始まる司馬遼太郎の一章。

ここからは、背筋を伸ばして文字を追いました。

それは緒方洪庵のこと。ご存知の方も多いと思いますが、江戸時代の末期に生まれた蘭方医 – オランダ医であります。

何が凄かったのか。
掻い摘んで一部をご紹介します。
彼は名を求めず、利を求めませんでした。
あふれるほどの実力がありながら、他人の為に生き続ける。
そういう生涯は、振り返ってみると実に美しく思えます。
といって、変人ではなかった。
どの村やどの町内にもいそうな、
ごく普通のおだやかな人柄の人だったそうです。
病人には親切で、その心は愛に満ちていたといいます。

以下は、経歴の抜粋です。

代々は、岡山県の足守藩の藩士。幼少より父の赴任先である大阪にて基礎を学んだ後、江戸に出て蘭方医学「坪井信道」の門下となり格別に猛勉強をしたそうです。

そして長崎へ渡り29歳の時大阪へ戻ります。

ここで診療しながら「塾」を開くのです。それは素晴らしい学校で「適塾」(てきじゅく)と名付けます。

当時洪庵は、めっぽう忙しかったそうです。
先生をしながら、病人達の診療もある。
体が二つあっても足りない。
それを実直にこなしたといいます。

ここの塾生から多くの優れた人材が出ました。
これも凄いのです。
その代表格として、後に明治の陸軍をつくることになる大村益次郎。
そして福沢諭吉。

洪庵は、自分自身と弟子達への戒めとして12箇条からなる訓戒を書いています。

これが、まことに厳しい。

医者がこの世で生活をしているのは、人のためであって自分のためではない。決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。ただただ自分を捨てよ。そして人を救うことだけを考えよ。


こんな人がこの国にいたのか、と改めて思いました。
「弱い人々に寄り添う」
徹底した利他の信念と実行力です。

私達は現代資本主義の波の中で生活しています。
いつも利益を考えざるを得ない社会にいます。
だからこそより新鮮に映るのです。

長くなりました。
続きは次回に譲ります。
著者の文章を拝借しているところがありますが
ご容赦ください。

雪かきで腰などを痛めておられる方、
お大事になさってください。
小生も今「ピリッ」。

         額縁の㈱アート・コアマエダ  店主